お坊さんからのお話

先日、祖母の三回忌があり、そこでのお坊さんの話。

作家の高史明(在日朝鮮人にて本名コ・サミョン)さんは、中学に入学された息子さんに3つのことを
言われた。
・「自分のことは自分で責任をとりなさい」
・「他人に迷惑をかけるな」
・「この二つが守れたら、お父さんは何も言わない。自分の人生だから自分の責任で生きていきなさい」
高さんは、在日朝鮮人としての差別に戦いながら、自分の力を信じて生きてこられた方で、そういった
自分の人生経験がこの言葉になったのだろう。

しかし、この言葉をかえた3ヵ月後高さんお息子さんは12歳で自死されたとのこと。

我が子に自死された高さんは、3つの言葉について考えさせられた。
この言葉は、他人との関係、他の生物との喚起を生きているのに、そのことを忘れてる自分の傲慢さから
出てきた言葉ではなかったか?そのことに目覚められたとき、あのときこう言葉をかけるべきだったと思われたという。

「他人に迷惑をかけないということよりも、他人のおかげというものが先にあるんだ。そのことがわかって
初めて他人と一緒に生きられる私になれるんだ。そういうゆうになった時に本物の人生が始まるんだ」。

生きるということは、他者に迷惑をかけているということである。
迷惑をかけている我が身の事実に頭を下げることを「慙愧(ざんき)」という。
仏教は、人と人は高尚な思想や理想でつながるのではない、と説く。
慙愧・・・
わが身に頭を下げ、自らのあり方に悲しむことが、人と人を繋ぐと教えるのである。

{谷大輔(滋賀県良覚寺住職 月報「無常尊」より}

こんなお話をされまして、大変興味深く聞かせていただきました。

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